
皆さんこんにちは!
株式会社キュービクルパートナーズ、更新担当の中西です。
今回は「キュービクル工事の未来」についてご紹介します。
環境対応・技術革新・人材育成といった観点から、これからのキュービクル工事がどう進化していくのかを深掘りしていきます。
国の「脱炭素」目標やESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大により、電気設備も「環境性」と「見える化」が不可欠となっています。
現在、次世代型のキュービクルとして、**通信機能やセンサーを搭載した「スマートキュービクル」**が開発・導入されています。
電圧・電流・温度・絶縁抵抗などをリアルタイム監視
クラウドでの遠隔制御・メンテナンス予測
異常時はメール通知・警報発信
これにより、突発的な事故を防ぎ、省エネ運用をサポートできます。
AIが経年劣化の傾向を分析し、交換タイミングを最適化
作業履歴や図面をクラウド管理して業務の属人化を防止
AR(拡張現実)で現場に図面を投影し、作業を支援
こうした技術により、**“壊れてから直す”から“壊れる前に備える”**設備保全が当たり前になります。
小型変圧器、分割搬入型キュービクルの登場
プレハブ化により1日施工・無人夜間設置も可能に
これにより、高所・狭所・ビル内など今まで施工困難だった場所への対応が格段に向上します。
少子高齢化の中でも、ICTやスマート施工を活用することで、経験の浅い技術者でも品質の高い施工が可能になります。
計測や施工ミスのリアルタイム通知
遠隔支援や動画マニュアルの活用
女性や外国人材の活躍推進
今後は“デジタルに強い施工者”こそが、キュービクル工事の中核を担う存在になります。
CO₂排出量の「見える化」
リサイクル部材の採用
設置時の太陽光や蓄電池との連携
これらにより、キュービクルは“エネルギー供給装置”から“環境貢献型プラットフォーム”へ進化しています。
キュービクル工事の未来は、「省エネ機器をただ取り付けるだけ」ではありません。**電気を使う全体像を見据えて最適化し、環境価値を創出する“設備戦略の一端”**としての役割を担っていくのです。
環境対応・スマート化・人材革新――これらの融合こそが、キュービクル工事を次の時代へと導くキーワードです。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
株式会社キュービクルパートナーズ、更新担当の中西です。
今回は「キュービクル(高圧受電設備)工事」における環境への影響と配慮について解説します。
キュービクルは、ビル・工場・商業施設などで高圧電力を低圧に変換して使用するための電気設備であり、その設置工事や交換工事は、私たちの生活インフラを支える“縁の下の力持ち”とも言える存在です。
一般的に「キュービクル」と呼ばれるのは、「高圧受電設備(PAS、CT、VT、断路器、遮断器など)を一体化して箱型に収めた設備」です。
高圧6.6kVで受電
変圧器で100/200Vへ変換
制御盤や保護装置も組み込み済み
これを敷地内に設置するのが、キュービクル工事です。新築時の新設だけでなく、20〜30年経過した既存設備の更新も頻繁に発生しています。
キュービクル工事は、電気設備工事であると同時に、金属・樹脂・絶縁油・冷媒など、複雑な素材とエネルギーを扱う作業です。代表的な環境負荷は以下の通りです。
古いキュービクル本体(鋼板、鉄骨、銅、変圧器など)
絶縁油(PCBの可能性あり)
プラスチックやガス管、配線屑
処理方法を誤ると、**環境汚染や法令違反(廃掃法違反)**のリスクがあります。
旧式のキュービクルに含まれる冷媒(CFC・HCFC)は、大気放出されると地球温暖化の原因になります。適切な回収と処理が必須です。
設置や撤去時における騒音や振動、油漏れや粉塵の発生が、近隣住民への迷惑や環境への配慮として課題になります。
現場では、環境負荷を最小限にするために、以下のような配慮が行われています。
絶縁油の事前分析(PCB含有の有無)
保管・運搬時のマニフェスト管理
指定処理場での処分の徹底
PCBが微量でも検出されると、取り扱いは厳格に制限されます。ベテランの目だけでなく、法的ルールの理解が必要です。
銅やアルミの金属リサイクル
鋼板部材の解体・再利用
絶縁体や配線の分別焼却
施工時に“まとめてスクラップ”にするのではなく、素材ごとの選別と処理が進んでいます。
搬出経路への養生マット
油漏れ対策シートの設置
作業時間の調整(早朝・夜間工事の回避)
地域との共存を意識した施工体制も、現代では“環境配慮”の一環です。
最新のキュービクルには、以下のような省エネ・環境対応機能が搭載されています。
高効率変圧器(トップランナー対応)
冷却ファンのインバータ制御
断熱性能の高い筐体材
設計段階から“環境配慮型設備”を選定することで、長期的なCO₂削減につながります。
キュービクル工事は、直接排気ガスを出すわけではありませんが、**「素材」「廃棄物」「油」「電気の使い方」**といった多くの環境要素を含んだ工事です。
その責任を果たすことが、「電気を使う社会」と「地球環境」の橋渡しとなるのです。
次回もお楽しみに!