-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
2025年8月 日 月 火 水 木 金 土 « 7月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

皆さんこんにちは!
株式会社キュービクルパートナーズ、更新担当の中西です。
目次
今回は、高圧受電設備としてさまざまな施設で使われている**「キュービクル式高圧受電設備」、通称「キュービクル」の歴史と工事の背景**についてお話しします。
街のビルや工場、商業施設などの裏手に、四角い金属のボックスのような設備を見かけたことはありませんか?それがまさに「キュービクル」。現代の電力供給を安全・効率的に支える重要な存在です。
では、このキュービクルがどのように誕生し、進化してきたのか――その歴史をたどってみましょう。
キュービクル登場前の日本では、電力会社の配電線からそのまま電力を引き込む「低圧受電」が主流でした。
しかし、昭和30年代(1950年代後半)以降、高度経済成長によってビルや工場の建設ラッシュが始まり、電力需要が急増。それに伴い、より効率的に電気を供給するための「高圧受電設備」が必要になってきました。
当時は、コンクリート製の変電室を建物内に設け、大掛かりな工事で受変電機器を設置していました。スペース・コスト・工期の問題があり、もっと省スペースで短期設置できる方法が求められていたのです。
そんな中、昭和40年代(1960年代)に登場したのが、**「キュービクル式高圧受電設備」**です。
金属製の箱型筐体(=キュービクル)に、変圧器・遮断器・計器などの高圧機器をコンパクトにまとめて収納
工場であらかじめ組立・検査を行い、現場では据付・接続だけで設置が可能
雨風に強く、屋外でも設置できる設計
このシステムは、「屋外設置型受電設備」の代表格として一気に普及しました。
1980年代以降、電気事業法や高圧電気取扱作業に関する労働安全衛生規則が整備され、キュービクルの構造や設置方法に関する基準が厳格化。
日本電気協会による「高圧受電設備設置技術基準解釈」が制定
JIS(日本工業規格)による構造基準も明確に
安全管理責任者(電気主任技術者)の選任が義務化
これにより、キュービクル工事は専門性の高い分野として定着していきました。
近年では、さらに進化したスマートキュービクルも登場しています。
遠隔監視機能:IoTで電圧・温度・故障の兆候をリアルタイム監視
コンパクト&静音化設計:商業施設や集合住宅にも設置しやすい
災害対応モデル:浸水対策・高耐震設計を強化したタイプも
キュービクルは今も進化を続けており、電気設備の“未来型中継基地”としてますます重要性を増しています。
キュービクルは、ただの箱ではありません。
そこには、電力の安定供給・災害対策・保守管理の効率化といった、現代社会に欠かせない機能が詰まっています。
そしてそれを据え付け、調整し、運用に導くのが「キュービクル工事」のプロたち。
次回は、そんな現場で大切にされている“工事の鉄則”をご紹介します!
次回もお楽しみに!