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第15回キュービクル工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社キュービクルパートナーズ、更新担当の中西です。

 

~止めない電気~

 

キュービクルは設置して終わりではありません。稼働率・安全・電気料金に直結するのが保守・点検BCP。本記事では、停止を最小化するための点検体系と、故障予防・早期復旧の実践をまとめます。


1. 点検体系(例)

  • 日常・月次点検:外観、異音・異臭、計器値、温度、漏電表示、ファン作動

  • 年次点検:高圧気中部の清掃、遮断器・継電器の機能/動作、絶縁・耐圧、接地抵抗、端子トルク点検、進相コンデンサ健全性

  • 精密診断(必要に応じて):熱画像、部分放電診断、油入機器の油分析、絶縁抵抗トレンド解析

点検は記録が命。数値の“変化”を追うことで予兆検知の精度が上がります。


2. 劣化のサインと対処

  • 端子の焼け・変色:締付け不足・高調波影響。早期の締直し・端子更新

  • コンデンサの膨らみ・油漏れ:速やかに回路切離→交換

  • 遮断器の投入・開放不良:メーカー推奨のオーバーホール、更新時期の評価

  • 変圧器の温度上昇・異音:負荷偏重・換気不良を是正、必要なら容量見直し

  • 筐体内結露・虫害:換気・除湿、目張り、防虫材で再発防止


3. 予防更新・デジタル化

  • 保護継電器のデジタル化:整定値の再現性と自己診断で信頼性向上

  • 遠隔監視:電流・温度・漏電・力率・デマンドのリアルタイム監視

  • 無効電力補償の高度化:進相コンデンサからSVG等へ置換で高調波耐性UP

  • 高効率トランス:経年機を計画的に更新し、損失・発熱を低減


4. 事故・停電時の復旧プロトコル(例)

  1. 一次切り分け:高圧側/低圧側/負荷側のどこかを即判定

  2. 安全確保:感電・アークフラッシュ回避、関係者退避

  3. 復旧手順:遮断器・開閉器の操作順序を手順書で標準化

  4. 原因究明:ログ・熱画像・絶縁測定で再発防止を明確化

  5. 報告・改善:写真・数値・対策期日を添えたレポート

年1回は停電訓練と手順の棚卸しを。担当者交代時は速やかに引継ぎます。


5. 電気料金・品質の最適化

  • 力率改善:力率低下による割増回避、適正容量での補償

  • ピーク抑制:デマンド監視で空調・生産を協調制御

  • 高調波対策:フィルタ導入、変換設備の整定見直し

  • 配電の見直し:母線分割や重要負荷の系統分離でリスクを局所化


6. よくある質問(FAQ)

Q. 点検は営業中でもできますか?
A. 目視・測定中心の月次は稼働中でも可能。年次は停電を伴うため、夜間・休日で計画します。

Q. 交換タイミングの目安は?
A. 端子・コンデンサ・遮断器など消耗部品は経年+状態で判断。記録値の悪化傾向が更新のサインです。

Q. 遠隔監視は必要?
A. 24時間稼働や無人時間帯が長い施設は効果大。早期検知→計画停止で被害を最小化できます。


7. まとめ

「止めない電気」は点検記録×予防更新×復旧手順の三点セットから。私たちは、月次・年次点検、精密診断、緊急対応、更新提案までをワンストップで支援します。まずは現地点検とヒアリングから、御社の設備に最適なプランをご提案します。

 

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